不動産相続をした場合、さまざまな手続をしなければなりません。どこから手を付けていいか不安に思っている人も少なくないはずです。ここでは、知っておくべき不動産相続の流れ、税金の制度、不動産相続の注意点を紹介します。

不動産の相続手続の流れ

不動産を相続することになったらまず、相続手続をしなければなりません。(手続きが必要なのは、不動産、家、土地、建物の名義変更など。)

遺言書

相続が発生したら遺言書の有無を確認します。なぜなら遺言書の有無で、不動産相続をするための相続登録手続や必要書類が違うからです。

遺言書は、自宅にあることが多いので、徹底的に探しましょう。自宅で遺言書が見つからなかった場合、公証役場で構成証明遺言検索システムを利用すると便利です。
遺言書は相続する上で非常に重要で、相続したあとに遺言書が見つかると遺産協議を遺族たちでもう一度やり直さなければなりません。

遺言書が見つかったら、いきなり開封してはいけません。開封をしてしまうと、遺言書自体は無効なりませんが、法律で5万円以下の罰金に処せられます。遺言書が見つかったら、家庭裁判所で遺言書の検認の手続をします。遺言書が公正証書遺言の場合、兼任手続は不要です。

遺言書がある場合は、そのまま、遺言の内容通りに相続をしますが、遺言がない場合誰が相続人になるか調べなければなりません。法定相続のルールでは、配偶者が必ず相続人になります。それ以外の人たちは順位がつけられます。

不動産の価値の調査・確定

相続人が決まったら、相続する不動産の価値の調査や確定をしていきます。不動産は固定資産税を支払わなければなりません。被相続人が亡くなった後10カ月以内に相続税の申告をしましょう。
なお、相続の放棄は相続が発生してから3か月以内に家庭裁判所に申し出ると相続放棄ができます。

不動産の価値調査と確定が終わったら、相続人たちで遺産分割協議をします。不動産の場合、土地、建物、預金、農地を相続者が分割して所有する現物分割で公平に遺産を分けていきます。

遺産分割協議

遺産分割協議で誰がどの不動産を相続するのか決定後、トラブル防止のために、協議内容書で相続内容を明確にし、その後遺産分割協議書を作成して相続人全員の署名と捺印をします。

最後に不動産の相続登記をします。届け出先は、被相続者が所有する不動産がある法務局へ届け出ます。

税金・相続税

不動産を相続したら、相続税を計算しましょう。ただ不動産相続をした人全員に相続税がかかるわけではありません。相続税には基礎控除があり、不動産を相続した人の95%は基礎控除を受けられます。相続税が、基礎控除内なのか、明確にするために、不動産の価値を計算しましょう。

不動産相続の注意点

不動産相続

不動産相続では、誰が不動産を相続するか決まるまでは、相続人たちが不動産を共有している状態になっています。しかし、共有状態のまま不動産相続をしてしまうと、不動産を売買するさいに全員の同意が必要になり、共有不動産の場合は売却する際もトラブルに発展しかねないのです。
もし、共有不動産を売却したいと考えた場合は専門の不動産会社へ査定や手続きを依頼すると、スムーズに解決します。

また、不動産を共有相続すると、共有相続人の誰かが亡くなった場合、相続権が共有者の親族に発生します。相続人が増えるとさまざまなトラブルに発展するので、不動産相続では、特定の相続人を決めるようにしましょう。