全国的にも珍しい葬儀風習がある内陸部

埼玉県は東京都のベッドタウンというイメージがありますが、実際には都市部としての機能は県東部に集中しており、内陸に入るとかなり濃密に地域文化が残されています。

葬儀においては特にその傾向が顕著であり、中でも埼玉県北部にある「金剛杖」という独自の形状の杖を携えて参列する様子はかなり特殊です。

これは故人が三途の川を渡るまで参列者も一緒に付きそうという気持ちを示すもので、男性の参列者は頭に三角の布っである「かんむり」をつけることもよくあります。

またもう一つ特殊な埼玉県の葬儀の風習として「御見舞」という表書きで渡される紅白の水引きがあります。
通常の葬儀で遺族に渡される香典は白黒のものですが、この「御見舞」はまるでおめでたいことであるかのように他渡されるため、初めて葬儀に参列する人はかなり驚くようです。

しかしこれは皮肉な意味ではなく、故人が入院中に渡すはずであった御見舞を遅くなりましたがお送りしますということで渡されるものです。

もっともこうした独特の風習があるのは埼玉でも秩父地域などかなり内陸部のみなので、基本的には都心部と同じくおとなしめの方式により葬儀は執り行われます。

火葬場と併設されている公営斎場が便利

埼玉県は公営の斎場施設が充実している地域です。
特徴的なのが火葬場と併設されている大規模な斎場が多くの市町村にあるということで、移動や運搬に費用をかけずスムーズな葬儀ができるようになっています。

民間の斎場も数多くあるのですが、公営斎場だけでも十分な数やサービス内容があり、特に混み合っている時期でもなければ公営の斎場を利用することが勧められます。

公営斎場は民間式場よりも低価格で利用ができ、祭壇の設定費用もかなり安く抑えることができます。
さいたま市の「浦和斎場」などは1時間390円という驚きの低料金となっているので、埼玉県の中心部に住む人の多くがこちらを利用しています。

さいたま市内だけ見ても斎場は全部で10ヶ所があり、一番人気の「浦和斎場」の他「ひかり会館」や「思い出の里会館」という3つの公営施設があります。

他7ヶ所は民営施設となっていますが、「福祉葬祭 大宮ホール」のような駅からの距離も近く大規模な葬儀が可能となっている施設もあり希望に沿った葬儀をしていくことができます。

基本的に埼玉県内には斎場施設が多くあるため、葬儀まで何日も待たされるということはないようです。

ただ人気という面でいくとやはり「浦和斎場」が埼玉県では頭一つ飛び抜けた存在となっているようで、大・中の3ヶ所の式場や通夜ぶるまいのための会食場など利便性の高い施設としてまとまっています。
周辺の雰囲気もよく、埼玉県在住の人ならぜひ候補に入れてもらいたい斎場と言えます。