通夜の喪主挨拶は伝達事項がメイン

喪主となった人は通夜の席のラストに短めの挨拶をするのが通例です。
まず「通夜」とはどういうものかということから簡単に説明していくと、これは遺された遺族が故人の死を受け入れるため最後に一緒に過ごす夜として位置づけられています。

ちなみに「通夜」という概念は仏教および神道におけるものであり、キリスト教での葬儀においては基本的には行われないものです。

しかし日本国内においては一般的な葬儀の流れとして「通夜」と翌日の「葬儀・告別式」という2日に渡って行われる習慣が根付いていることから、故人や家族がキリスト教の信者であっても通夜が同様に行われるということはよくあります。

その場合カトリック教会では「通夜の祈り」、プロテスタント教会では「前夜式」という名称が使用されているようです。

話がそれましたが、本来的な意味の「通夜」ではまず「仮通夜」として近隣に住む親族のみが集まります。
正式な葬儀の日取りが決まったらその前日を「本通夜」として遠方から駆けつける親族や友人を迎えます。

本式の通夜では親族が葬儀会場となる斎場もしくは自宅などで遺体とともに一晩を過ごすことになっているのですが、夜通しではなく1~3時間遺族が残るのみの「半通夜」とする人も増えています。

いずれにしても喪主は通夜および葬儀の両方に必ず参列をする代表者となるため、ちょうど折り返し地点となる通夜の終了時には中締めとしてしっかり連絡をしていくことが必要となります。

模範的な通夜の挨拶例とは

上記の意味を踏まえて考えると、通夜という儀式が終了した後も(少なくとも表向きは)喪主は亡骸となった故人とともに一晩を過ごすことになっています。

そのためあまり大仰な挨拶をする必要はなく、軽めの伝達事項にとどめておくというのが一般的です。
しかし通夜に駆けつけてくれる参列者の中にはスケジュールの都合上や故人との関係により通夜にのみ参列する人もおりますから、生前を偲ぶという意味で軽くエピソードを交えるというのもよい方法です。

通夜での模範的な挨拶としては以下のような文面が挙げられます。

「本日はお忙しいところお集まりいただきありがとうございます。
生前には格別のご厚情をたまわり、(父○○など)も大変感謝をしておりました。
本人に成り代わり、深く御礼を申し上げます。
なお、明日の葬儀・告別式は~~となっております。
別室にささやかではありますがお食事を用意させていただきましたので、お時間の許す限り故人を偲ぶ話をおきかせいただければと存じます。」

通夜ぶるまいは同じ斎場内で行われることが多いですが、場所を移動して行う場合には送迎についても連絡をしておくとよいでしょう。