東京ならではの葬儀事情とは

東京は全国でも突出して人口密度の高い土地です。
当然その分葬儀の件数も多く、時期によっては都内すべての斎場でスケジュールが詰まり希望の日に通夜・葬儀を開催できないということもしばしば起こります。

しかし斎場以上に深刻なのが火葬場の混雑で、ここしばらく都内の火葬場は常にギリギリのスケジュールで運営されているというのが実情です。

そのため都内の斎場で葬儀までは済んだとしても、火葬ができるまで1週間以上も待たされてしまうということも珍しくありません。

これは東京ならではの葬儀場事情が関係しており、他の地域では公営となっている火葬場が民営によってほとんどが占められています。

東京23区内には9つの火葬施設があるのですが、このうち7つは民間企業によるものです。
公営の火葬場を増やそうとしても土地価格が高すぎたり、近隣住民の反対があったりという事情により民間企業に委託をしなくてはいけないという事情があります。

一方斎場施設は都内23区だけで100以上、葬儀を取り扱う企業は900社以上もあり、一日あたりに火葬ができる件数には限界があるため待ち時間が長くなってしまうのです。

都内で斎場を探すときのポイント

葬儀施設で人気が高いのはそうした火葬事情を意識した火葬炉併設型の施設となっています。

また都内で生活をしている人の多くは地方出身者であることから、葬儀の時には遠方から参列者を招くということがよくあります。

そのためできるだけ地方から訪れる人からの交通アクセスのよい場所も人気が高くなり、具体的には品川区にある「桐ヶ谷斎場」(民間)や大田区の「臨海斎場」(公営)は最も多くの人が集まります。

特に臨海斎場は23区で唯一の公営による火葬場併設の斎場となっているため、使用料の面からも希望をする人は多いようです。

混雑しがちな都内の斎場においては、誰でも自由に好きな場所を選ぶことができるわけではありません。

公営の斎場の利用は地域が限定されており、府中市にある「府中の森市民聖苑」などは府中市民しか利用ができないこととなっていますし、他にも「八王子斎場」や「青梅市民斎場」も同様の規制があります。

その点民間施設はどの区や市に住んでいる人であっても利用が可能なところから利便度は高いと言えます。
しかし絶対数が足りないという問題の根本的な解決には程遠いこともあり、思い通りの葬儀をしたい場合にはかなり日程を後回しにしなければいけないようです。

こうした事情を知らずにいきなり葬儀の準備をしなくてはならないとなるとかなり驚きます。
突然のことに慌てないように、都内ならではの葬儀事情をしっかり下調べをしておき速やかに葬儀社に連絡をするようにしておくことをすすめます。