全国的に珍しい「前火葬」の風習のある千葉県

千葉県は関東圏内でも人口の多い、全国第6位の人口の地域です。
しかし人口密度が高いのは東京からの距離の近い都市部に集中しており、県内面積の大部分においては地方都市らしい風景が広がっています。

千葉市周辺の都市部を除いた地域においては、現在も全国的に珍しい地域独自の葬儀方法が用いられています。
代表的なのが館山市などの房総地域で行われている通夜の翌朝に火葬を済ませる「前火葬」です。

「前火葬」では葬儀・告別式の前日に火葬をしその日のうちに納骨までを済ませるというかなり特殊な方法です。
他にも地域によって「葬式組」や「班」といった地域の寺院と密着に関連した組織が存在しており、年々減少傾向にあるとはいえそうした昔ながらの葬儀方法が取られている地域も存在しています。

もう一つ千葉県独自の特殊な風習として「夜伽」があります。
「夜伽」というと戦国時代などに性的な相手をすることのようなニュアンスがありますが、実際には「夜通し相手と付き合って過ごすこと」全般を指します。

余談ですが「夜伽」には「病気の君主に付き添って夜を明かすこと」なども意味として含まれているので、千葉県内において通夜のことを「夜伽」と言うのは全く間違った言葉ではないのです。

ただし千葉県内で「通夜」の代わりに「夜伽」という言葉が用いられる場合には、故人の亡骸のそばで飲食をともにしながら寝ずの番をするという意味で用いられており、そのあたりも千葉県独特の特色と言うことができます。

千葉県内の火葬場は全部で28ヶ所

千葉県にある火葬場は全て公営で、全28ヶ所となっています。
東京都や神奈川県のように住民が利用できる斎場が厳しく限定されているということもなく、自由にその時期に空いている斎場や火葬場を利用することができます。

都心部でありがちな葬儀の日程が合わずに何日も待たされるということはほとんどなく、大抵が希望どおりのスケジュールで葬儀を行うことができます。

代表的な葬儀場としては、千葉県千葉市にある「千葉市斎場」があります。
千葉市斎場は公営施設ながら非常に評判の高いところとなっており、施設の新しさもあって多くの人が利用をしています。

スタッフの評判もかなり高く、千葉市内に住んでいる人には最も利用しやすい斎場と言えるでしょう。

他にも人気の高い斎場として「松戸市斎場」や「浦安市斎場」といったところがあります。
これらはいずれも人口が多く集まる都市部の斎場となっており、どちらかというと千葉県内独自の風習による葬儀というよりもむしろ東京都内などの地方出身者が多く集まる地域で行う葬儀に近い形式で式が行われています。